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検索対象: 星空ぷらねっと
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1. 星空ぷらねっと

第 3 章追憶 「今はアイン教授のところに世話になっているよ」 「 : : : 天美電波観測所で ? 」 「ああ。いろいろと雑用をしているよ」 天美電波観測所ーー・宇宙から地球に届いた電波などを観測する施設。ロケット関係の研 究実験を行っていた三陸技研とは勤務内容が異なるけど、ジョンが宇宙関係の仕事を続け ていることに変わりはなさそうだ。 とい一つことは ジョンは、まだ夢を捨ててないんだろうか ? でも、それは訊けない 訊きた 訊けるワケがない ジョンは間違いなく、夢に向けて数年間は遠回りを強いられている。 それはもしかしたらーー僕のせいかもしれないんだ。 ジョン・ウィリアムス いつも陽気で冷静な、僕の古い友人。 しっせき 彼に叱責されたのは、 " あの日〃のただ一度だけ その後、僕とジョンは一緒にタ食のひとときを過ごした。

2. 星空ぷらねっと

「 : : : 何やってるの ? 」 とうとう根負けした僕が尋ねると、瞳はピタリと動きを止め、その場で一瞬 " 溜め ~ を 作った。 ・ : ビバ・望遠鏡 ! 」 「つ 5 っ : そして、晴れやかな宣一一一口と同時に、カバンの中からさまざまな望遠鏡のパンフレットを 取り出す。 「わたし、望遠鏡が欲しいのお ! 」 「そ、そっか : ・・ : 買うんだ ? 」 「うん ! で、どれがいいか悩んじゃって」 どうやら、さっきの『ウキ』とか『コケ』とかは、瞳なりに悩んでいるポーズだっ たようだ。 軽くあきれながらも、僕は彼女の相談に乗る 「そうだねえ : : : やつばり屈折望遠鏡かな。小口径のものは特に初心者向けで、手入れも 鏡簡単、映像は鋭い。ビギナ 1 お薦めの一品だよ」 遠 望「ふみふみ : : : 」 章「まあ、口径が大きくなると値段も跳ね上がるんだけど、 100 ミリくらいなら充分手の 第届く範囲じゃないかな ? 」

3. 星空ぷらねっと

鏡 で、日曜日。 遠 望「これが屈折望遠鏡かあ」 章「うん。んで、こっちから順に胴の短いカセグレン系、ニュートン式、天体撮影専門のシ 。てるね」 第ュミットカメラと続、 うれ 「な 5 にーを 5 、クールに決めとんねん ! 誘われて嬉しいんやろ ? 」 「そ、そんなことは : : : 」 「かあーっ ! よお言うわ ! 」 僕の態度が気に入らないらしく、慎太郎は熱く語り出す。 「ええか ? オマエは、望遠鏡博士のこの俺を差し置いて行くんやで ? 男なら、ビシソ とキメたらなアカン ! 生半可な気持ちで行くんやないで 5 「いや、お前が何を言ってんのか、さつばり分かんないんだけど : : : 」 「アホンダラ ! 望遠鏡を一緒に買いに行くいうコトは即ち、その二人は合一つちゅうこ とや ! そもそも、我々天文家にとって望遠鏡とは : : : 」 彼の熱弁を妨げる権利は、ない 僕は望遠鏡フェチを放置して、トイレに向かうのだった。

4. 星空ぷらねっと

休憩のためにすぐ近くの喫茶店に人ってからも、瞳はずっと望遠鏡を抱きしめつばなし だったのだ。 : 立里 : : コーヒー、冷めちゃうよ ? 声を掛けてみても、彼女は頬ずりをやめようとしない 「んん 5 っ ) 」 「 : : : ま、最初はそんなモンだけどね」 肩をすくめて呟く僕。 「まーくんも ? 」 「うん。最初に買った時は、抱いて寝てたし 「あ 1 、やつばりそうなんだあ ! 慎太郎君のこと笑えないねー」 「まあね」 そーは言っても、僕のは小学校の頃の話だぞ ? 「わたし、大事にしようっと」 鏡 軽く望遠鏡を離し、そのフォルムを愛おしそうに眺める瞳。端から見ていると、僕はっ 望 い苦笑を漏らしてしまった。 章「ははは : ・ : 瞳って、慎太郎と同じ素質があるのかもね」 4 第「うん、すつごく気持ち分かるよ」 ころ

5. 星空ぷらねっと

「早く帰って、見てみたいな 1 」 僕たちのアパートまでは、まだ少し距離がある。瞳はかなり、もどかしそうな表情を見 せていた。 そこで僕、提案してみる。 「なら、ちょっと近道いたしますか 「 : : : そんなのあるの ? 」 「実は、天美大用水を渡ってサクッと自宅へ帰れるコースがありまして」 「ホント卩じゃあ、そっち行こーっ ! 」 で補強された用水路の縁に向かった。 さっそく僕たちは裏道を通り、コンクリート 「ここが天美大用水路でーす」 「わあ 5 つ、落ちたら溺れちゃいそう」 のぞ 連日の雨で増水した用水路を覗き込み、大げさに声を上げる瞳。 「結構深いから、足を滑らせないようにね」 僕が念のために注意した、その時。 「うん、大丈・・・・ : きゃん ! ( バタンツ ) , は一つつ 一一口ってるそばからコケるか、フツー卩 おば

6. 星空ぷらねっと

「ん : : : もう何度も読んだ本だから」 「なーんだ」 「わたし、変な話だけど、このお話の救われないところが逆に心に残ってるな」 なるほど この本を読んで、〃ひたっていた〃ワケか。 そんなことを思った僕の口から、自然と言葉が流れ出す。 「そうだね。それはお話だけど、宇宙って実際 : : : 厳しい場所だもんね」 「うん : 「のロケットはさ、住宅地に落下しそうになった時のために、管制室から自爆さ せられるようになってるんだよね」 「え、そうなの ? 「ロケット燃料は地上で爆発すると危険だからね。最悪、乗員ごと爆破できるようになっ てるんだ」 「知らなかった : : : z < って厳しいんだ」 ス テ 「でも、それが船乗りの責任ってャツかも知れない。僕は否定しないよ」 期「 : : : でも、軌道計算とプースターの切り離し調整でどうとでもなると思うんだけどな」 章「万が一もあるんだよ。アポロやチャレンジャーみたくさ」 第「万が一、か : : : やつばり、宇宙って危険が一杯なんだね :

7. 星空ぷらねっと

: さっきより奥に : : : ああー 「すごい 内部の粘膜が、さっきよりも激しくうごめいていた。 たった 2 度目なのに、なんだかすごくこなれてきたように思えるーーー僕は、女体の神秘 こ卆いしれた。 「痛みは ? 「 4 も一つ : : ほとんどないみたい・ 「もっとしびれていいよ」 全身を使って、瞳を背後から貫く。 小刻みに抽送を繰り返し、たまに最奧まで突く。 「あっ、あっ、あっ、あっ : : : きゃんー 一挙動ごとに瞳が素直に反応し、僕の本能を否応なくかき立てる。 何分ほどそうしていたのかーー気がつくと、僕も瞳も汗まみれになっていた。 つや 一朱色に染まり、汗を吹いた瞳の背中が艶っぽい 僕は上半身を倒して、背中に舌と唇を這わせた。 第 びくびくと震える瞳。彼女の性感帯は、背中にもあるらしい ・ : ああ、しびれちゃってる : 2

8. 星空ぷらねっと

部屋には瞳の喘ぎ声と僕の荒い呼吸、そして肌と肌の ぶつかる音が響く。 むっとする二人の体臭が、僕の部屋を満たした。 「あうう : : : わたし : : : また : : : 」 瞳の締めつけが強まり、背筋が弓なりに反った。絶頂 は間近だ。 僕は一際深いストロークを繰り出すと、ほぼ同時に限 界を迎えた。 .. 立里いっ . 「あ : : : あああああああんっー 絞り取られた精が、瞳の体内に注ぎ込まれる かすれるような悲鵈を最後に、瞳はべッ ドにぐったり と突っ伏した。一歩遅れて、僕も彼女の上に覆い被さる ッ 重いかも、と心配したけど、しばらくは自力で動けそ 一つに、な、。 まさに、精根を使い果たした感じだ。 章 荒い呼吸が整うのを待ちつつ、瞳のかわいいⅢ吸に耳 第を傾ける。 ッ 亠 響 7

9. 星空ぷらねっと

どうして学校帰りに、アパートから遠く離れた、こんな場所までやってきてしまったん だろう この数年、一度として訪れたことなどないのに。 瞳との再会が、僕に気まぐれを起こさせたのかもしれない 終点に到着したバスを降り、目の前の風景を数年ぶりに視界に収めた。 フェンスがずらっと囲む、学校の校庭よりも広大な場所 ( くつかの建物。 その真ん中に、、 校舎より小さい施設がほとんどだが、たまに大きな工場もある。 なっき 『三陸技研航空開発事業部・天美工場』ーー僕の母・今村夏樹が働いていた場所だ。 ここに立っているだけで、膨大な量の追憶が、僕の脳裏を駆け巡る 『ただいま 『あら、まーくん、おかえりなさい』 『ジョンいるー ? 』 ・『んー、ジョンはねえ、今ちょっと買い物に行ってもらってるの』 『今日は帰ってこないとか ? 』 『分くらいで戻ると思うけど。食材の買い出しに行ってるだけだから』 : ジョンが食材を ? 』 2

10. 星空ぷらねっと

「頭がいいのは分かってたけど、まさか学年主席とは : 結果発表の最初に、「星見瞳」の 3 文字が燦然と輝く。テスト前に、 『今グラグラしたら : : : せつかく暗記したのが全部落ちちゃう 5 』 と悲鳴を上げていた姿からは、とても想像のできない結果だった。 待てよ ? ひょっとして、瞳が頭に詰め込んだ量って、僕や慎太郎の想像を絶する モノじゃないか ? 試しに、尋ねてみる。 「ところで、中間テストがボロポロって言ってたよね ? 成績、教えてくれない ? 」 「えー、恥ずかしいよう」 「僕にだけでいいから」 瞳はおずおずと、僕に耳打ちしてくれた。 瞬間、僕の顔が驚愕にゆがむ。 : マジですか ? ス テ 「マジです」 期 思わず、めまいを覚える僕。 章「あ、まーくんなら大丈夫だから ! 今の時期に理数でこれだけ点が上がれば、ちゃんと 第最後には間に合うから」 きようがく