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検索対象: 星空ぷらねっと
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1. 星空ぷらねっと

ここに一人の少年がいて、近年とみに高まりつつある宇宙開発への幢憬を抱いてい るとしょ一つ 彼がますしなければならないことは、ズバリ勉強ーー特に、語学と数学の勉強だ。 語学では、まず英語が必須。日本がと共同ミッションを行う際、意志の疎通が 図れるかどうかは大きな評価点となる。それからロシア語も必須。理由は同じ。 さらに数学で数値と戦い、物理でより高次の理論を身につける。 鏡大学に行き、数学・科学・工学などの専門分野で博士号を身につける。 望 頭脳に自信がないなら ( この時点ですでに絶望的ではあるけども ) 、体力を鍛えて 章渡米する。 なぜ 4 この場合の武器は、平衡感覚と視力。何故なら、専門分野を持たない者には、シャトル 第 「やつばりまーくん、自分で宇宙に行きたいんだよね : : : 宇宙飛行士になって ーよ : : : それよりそろそろ出ない ? 」 「そ、その話はい、 「え ? あ、ちょ、ちょっとだけ待って ! わたしコーヒー飲んでない ! 」 話を強引に打ち切った僕を見て、瞳は慌てて、冷めたコ 1 ヒーをすする。 僕はこれ以上続けたくないのだーー昔の夢の話を。 彼女には悪いー、 0

2. 星空ぷらねっと

を操縦するパイロット宇宙飛行士になるしか道がないからだ。 手つ取り早い方法は、空軍に入り、ジト飛行経験を千時間以上持ち、強い ( 重力 加速度 ) の中でも気絶しない肉体的特質を身につけること。 そうして、なみいるライバルたちを押しのけて、軍から出向の形でへ行く。 この過程を経て初めて、彼は幢れの宇宙飛行士へとなることができる。ただし、日本国 籍は捨てなければならない。 では、何の特技もない一介の日本人学生は、宇宙飛行士になれないのか ? 否、手段はもう一つだけある。 宇宙開発事業団ーー所属の宇宙飛行十になることだ。 ただし、現役の宇宙飛行士の総数は、せいぜいが 5 ー 7 人 そして、まれに行われる募集では、数百人から千人にも及ぶ志願者の中から、一人か二 人しか選ばれない 。しかも、募集は毎年行われるわけではない おくめん これほどの狭き門に挑むなどと、臆面もなく言える僕じゃない 子供の頃は言えたかもしれないが、今はとてもじゃないけど無理だ もちろん、情けないってことは、自分自身が一番よく知っている。 だけど今さら、『宇宙飛行士志望だった』なんて自分で言うのは、やつばり恥ずかしい じゃないか あこが

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第 9 章 The Day 電話が切れた。 だけど、僕はすぐに、受話器を置こうとしなかった。 ″おんなおとこ〃 数年ぶりに耳にする単語に、僕の記憶中枢が強く刺激されたのだ 僕がまだ夢を持っていた頃。 僕は慎太郎にいじめられていたことがあった。 『今村 : : オマエ、女子になれや ? その方が似合うとるわ』 『ナョナョよしくさりおってからに。うっとおしいんじゃ、この " オンナオトコ〃がっ ! 』 あの頃の僕は、ガキ大将肌だった慎太郎にひどく嫌われていて。 自分ではナョナョしていたつもりはなかったけど、当時は女の子の友達の方が多かった から、そう呼ばれても仕方ない雰囲気ではあった。 でも、その頃から僕は夢を持っていた。 本気で宇宙飛行士になれると信じていた。 そのための努力もしたし、夢を共有し合える人もいた。 それに比べて今の僕はーーーホントに " 女男…なのかもしれない 763

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「こんなに濡れるものなんだ : 「まーくん。か、解説はカンべン 5 」 「あ、ゴメン : つい、赤面する僕。それでも、興味の矛先が移ってし こかん まったからには、身体をずらして瞳の股間に顔を持って いくしかあるまい 瞳の脚は、ビッタリと閉じられている 「全部見てもいいよね ? 「璃すかしいけど : : : うん : : ・」 下着をするすると引き降ろす。すると、その小さな布 から、フッと甘い体液の香りが漂った。 「汗 : : : の、匂いかな ? 」 「はうーっ ? 」 ッ 「わわっ ! 」 下着は、速攻で奪われてしまいました。 嶂「まーく 5 んーっ ! 」 「じよ、冗談だってば」 7

5. 星空ぷらねっと

つい、まともに一 = ロい返してしま一つ僕。 「まあ、まあ、そないに高ぶらんと、落ち着かんかい」 当然、慎太郎は面白がってるだけだ。 いらっしゃい」 「瞳ちゃんも、 「えへへ。連れてきたよん」 立里は嬉しそうに胸を張る。すると、自然と前にチョコンと突き出される、ふたつのやー いかん、さっきのことで、つい意識してしまふ。 らかそーなふくらみ 「ふつ。さすがの正樹も瞳ちゃんの誘惑には逆らえんかったとみえる : : : 」 瞳の数倍嬉しそうな慎太郎。コイツの場合、嬉しがってる理由があからさまに不健全そ 一つだけど一 「こらもうデキとるな。宀兀成しとるなー 「 : : : 何が ? 」 「その : : : 合一つちゅうか、融合っちゅうか : : : その、肌と肌が触れ合って : : : 先端が秘 ・ ( ゲシッ ) はぶう ! 」 部密の花園に。そ、そして、正樹の威勢のええェッフェル塔が : 天案の定、ハアハアと荒い息を吐き始めた慎太郎を、僕は蹴りを入れて黙らせる。 章「あまり下品な方向に行こうとするなよ」 第「そ : : : そや、ええタイミングのツッコミや・・

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てみるのもえーんとちゃうか ? 「うーん、そんなモンかなあ : ・・ : 」 生返事を返したものの、僕にだって慎太郎の言うことは理解できる。コイツはこれで、 いつまで経っても無気力な僕を、気遣ってくれているのだ。 「そんなワケで : : : 部活は来週からスタートや ! 」 ま、それが言いたかったんだろうなあ、とは思ったんだが。 「まあ、考えておくよ」 「気が向いたらキミも来るとエ工わ。ほな、また明日なあ」 「え ? 先に帰っちゃうのか ? 」 「これからバイトなんやわ。今度買おうと狙うとる望遠鏡は、値段がチト高くてな」 「お、お前、もう川台以上も天体望遠鏡持ってるじゃないかー これ以上買って、どーす んだよ ? 」 「ほいじゃ、お先ーっ 結局、慎太郎はさっさと、階段へ誚えていった。 あの、望遠鏡フェチめーーー家中、望遠鏡で埋め尽くすつもりか ? ねろ

7. 星空ぷらねっと

「今村先輩 : : : 相変わらず、まったりしてますねー」 「まあ、帰ってもやることがあるワケじゃないしね」 げいひんかん 学園の片隅で営業しているカフェ『迎賓館』。 部活に顔を出さな ( ーー 、業よ、放課後になるとしばしば、ここでヒマつぶしをする なせ やまもと 何故なら『迎賓館』では、幼なじみでもある後輩の山本ゆかりちゃんが、ウェイトレス のバイトをしているのだ。 「でも、こんなにいい 天気なのに、イイ若いモンがこんなんじゃ、すぐに老けちゃいます よオ ? 「お客さま相手に、ヒドイこと言うなあ」 「あら」 不平を鳴らす僕に、ゆかりちゃんは底意地の悪い表情で一言。 「まだ、ご注文は承っておりませんけどねえ」 「 : ・・ : プレンドコーヒーひと ? 「あいあー 、毎度ありーっ」 あい」よ - っ 愛嬌たつぶりの営業スマイル (o 円ナリ ) を見せて、彼女はいったんカウンターへ去っ ていく。相変わらずクルクルと表情の変わる、明るいコだ。 ほどなく、コーヒーカップを乗せたトレイを持って、ゆかりちゃんが戻ってきた。 2

8. 星空ぷらねっと

「ところで先輩、あたしもこないだ、久しぶりに瞳ちゃんに会ったんだけど : : : 」 : ああ、そーいえば、ゆかりちゃんも瞳のコト知ってたつけ」 「久しぶりに ? 子供の頃は、ゆかりちゃんは僕と一緒に遊ぶことが多かった。だから当然、彼女が瞳と 会ったこともあるワケだ。 「でも、瞳ちゃんって、昔と雰囲気がずいぶん違くないですか ? 「そうかい ? 」 「昔は : : : 暗かったってワケじゃないんだけど、何かこう、みんなとあんまり打ち解けら れなかったってゆ】か、自分でみんなとの間に壁を作ってたってゆ】か : : : 」 ゆかりちゃんの述懐は、たぶん正しい 当時の瞳は、自分から積極的に、クラスメートと交流を持とうとはしなかった。 親の都合で何度も転校を繰り返していたから、ということもあるんだろうけどーーそれ 以上に、もともと友達付き合いが苦手だったんだろう。 新学期から時間が経っての転校だったこともあって、瞳は既に形成されていた人間関係 部に入り込むことができず、クラスの中で孤立してた。 天 そんな感じだったから、再会したばかりの瞳は、ほとんど別人なんじゃないかと思えて 章くるぐらいだけど いらっしゃいませ】 ) 」 第「お、ウワサをすれば : ・ 2

9. 星空ぷらねっと

「 : : : どしたの、まーくん ? 考え事 ? 「えっ ? いや、ちょっとポーツとしてた。。 コメン」 「うむ、許してつかわすぞよ」 夕暮れの街を、一一人で歩く。 瞳の腕は、望遠鏡をしつかり抱きかかえていた。 いやーーーそれはもう、 " 望遠鏡…じゃない。実は僕、喫茶店を出る時に、 『それ、重いでしょ ? 持ってあげるから』 と瞳に言ったんだけど、即座に瞳が言い返していわく。 『だいじよぶ。オリオン君は自分で持っ』 : ・誰、それ ? 』 鏡『屈折望遠鏡のオリオン君』 望 とゆーコトで、彼女が抱いているソレは、 " オリオン君 ~ なのだ。 こわ 章 なんだか、 瞳が慎太郎化していくようで、ちょっと恐い 第「だけど、すっかり遅くなっちゃったね」 それとも・ーー・これだけでは、夢をあきらめる理由として不充分だろうか ? だれ

10. 星空ぷらねっと

授業を終え、掃除を終え。 僕は部室に顔を出すでもなく、昇降ロへと直行する まだ時間が早く、皆それぞれにはしゃぎ回ったり部活へと急いでいる。 章 でも 第「ま、まーくん」 ランチトレーを持って、微笑む瞳。 : もう食べ終わったから」 「ああ : 僕は席を立つ。 「え ? で、でも、そんなに残ってるのに : : じゃ 「お腹空いてないんだ : 手がふさがっているから、瞳は引き留めることもできない 僕は安心してカフェを後にした。 757